環境省を訪問、ヒアリングしました

Text by 片桐 徹也

環境省ヒアリング12022年9月13日に多摩エネ協にて起ち上げています“たま気候みらいプロジェクトチーム”の有志5名にて、霞ヶ関の「環境省 地球環境局地球温暖化対策課脱炭素ライフスタイル推進室」を訪問しヒアリングを実施しました。同室からは室長補佐以下3名の室員の皆さんに大変丁寧に対応していただき、私たちにとって参考となる情報を多数いただくことができました。また後日、追加資料をご提供いただくなど、お忙しい中、市民団体にも丁寧にご対応いただいたことに対し、この場をお借りして改めて御礼申し上げます。感謝。

同課では、「COOL CHOICE」というウェブサイトを設けており、“カーボンニュートラルの実現に向けて、未来のために、今選ぼう“ということで、地球温暖化情報、ゼロカーボンアクション(できることから始める、暮らしを脱炭素化するアクション)についての総合ポータルサイトとなっています。

「COOL CHOICE」 地球温暖化対策、省エネ、エコで「賢い選択」

さて、訪問記に戻ります。まず本省の3階にご案内いただき驚かされたことが、まず目に飛び込んできた“フリーアドレススタイル(職員がここの自席を持たず自由に働く席を選択できる)”のオフィス。大変失礼ながら、想像するお役所の雰囲気は、グレーのデスク、チェアーでしたから、グリーンやホワイト、ブラック基調の雰囲気の爽やかさと、すっきり感なイメージは、霞ヶ関の古い官庁街ビルの外観からも良い意味で予想を裏切られ、大変働きやすい雰囲気を感じることができました。今回はそのすぐ横にあるミーティングスペースにて行われましたが、私たちもリラックスした雰囲気で対話ができました。国の担当所管機関からこのようなことを実践していることに好感を覚えました。

環境省では、“地球温暖化対策地域協議会”の活動を支援するため、地域協議会の登録簿を整備し、全国レベルでその設立状況や活動内容等の情報についてインターネット等を通じて一般に公表することで、地域協議会同士の情報交換や住民等への情報提供を推進することを行っています。これは京都議定書における温室効果ガス削減目標を達成するためには、排出量が増加傾向にある民生部門での取組が不可欠であるとの認識が基となっています。
私たちは、その現状と今後交流させていただくにふさわしい協議会の知見を得ることを中心に、この度の環境省ヒアリングを実施したものとなります。
本来、国の機関ですから、直接市民団体等と向き合うことは多くはない中、以下のような情報をご教示いただくことができて有益な時間となりました。

・環境省と地域協議会の直接的な関わりは多くはなく、情報提供に特化しているものの市民団体さんとの対話も大歓迎、逆に地域における状況も知りたい
・地域協議会を通じ、市民の行動変容につながることを狙っている
・この10年が勝負の年であるとの認識で、これまでは地域連携イベントに対しての補助事業にチカラをいれていた
・現在は、それらの社会実証事業を、そのまま地域で実装するための補助事業を行っている
① 環境省ナッジ事業(英語nudge: そっと後押しする)
行動科学の知見を活用してライフスタイルの自発的な変革を創出する新たな政策手法を検証する内容。
a. 新学習指導要領に対応した小学校・中学校・高等学校向け省エネ教育プログラム
b. 省エネ行動促進のための行政窓口を通じたナッジ型情報提供
リーフレットを配布、省エネ型冷蔵庫への購買行動など
② 食とくらしの「グリーンライフ(環境配慮行動)/ポイント」推進事業
消費者の環境にやさしい行動に対し、企業・自治体等が「ポイント」を発行する取組支援

・10月より、新しい国民的運動に発展するよう大キャンペーンを繰り広げる予定
家庭部門でのCO2、66%削減が求められているが、具体的に何をして良いかわからないという現状を鑑み、2030年、2050年の社会像や生活の質を創造してもらえるようなことを応援するような施策を打つ。「デジタルを活用した新しい地方移住、ワーケーションなどを通じた脱炭素へつながるようなライフスタイルの実現」もその一つとなる。
・エネルギーコスト、光熱費の高騰→支出増のスパイラルのさなか、それらを解決し、かつ質の高い生活につながるための市場も醸成されるようなことを応援する協議会を起ち上げ、100企業レベルの参加を目指しWebで発信する

環境省ヒアリング2その他、私たちが多摩市から目指すという方向性や今後の考えを共有させていただき、私たちが今後交流し情報を得るための先進地域協議会をご紹介していただくことなどを中心に引き続きの情報提供をご依頼しました。
後日、ご連絡をいただき、資料の送付もいただきましたので、参考とさせていただくことを含め、ここに改めての御礼を申し上げます。

そのようなことで、今回訪問させていただいてのヒアリングを通じ、所管官庁のお考え、方向性を直接知ることが出来、そのことをうけて、私たちが地域で目指す方向性を模索し実践することを検討するためのよいきっかけともなるべき機会をいただけました。
今後私たちは、まずは近隣の地域協議会の事例なども視察させていただくこと、またその後のイベント開催などを通じて、多摩市にふさわしく、あるべき姿の2050年を迎えられるように市民の行動変容を促すような協議会を運営しつつ、市民レベルからの脱炭素目標達成を実現していくことを、決意も新たに始めて参ります。

-活動報告
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